とある暴走族のお話

「ふぇっ… ヒック…」


「落ち着いたか?」


美鈴を抱き締める力を少し緩める。


「うん…もう大丈夫…」


美鈴は涙をぬぐって、笑顔を見せる。


本当に可愛いよな…美鈴は…


「なぁ、美鈴…キスしてもいいか?」


俺は美鈴の顎を指で持ち上げ、上を向かせながら聞く


「うん…いいよ…」


唇と唇が重なりあう。


10秒間の短いキス…


それでも、俺は幸せだった。


これからも、美鈴とずっと一緒にいれるよな?


俺はお前の旦那さんになるんだよな?


そんな思いを抱えながらも、美鈴を力強く抱き締めた。


それに答えるように、美鈴も俺を抱き締め返してくれた。


俺達はしばらく抱き合っていた。


「翔、言い忘れてたことがあるんだけど…」


美鈴は急に、真剣な顔になった。


「何だ?」


「家に来ても驚かないって約束してくれる?」


驚く?


何でだ?


美鈴の実家はそんなに驚くところなのか?


「約束できる?」


美鈴がもう1度釘を指すように、俺に質問してくる。


「あぁ… できるよ?」


「約束だからね? 破っちゃだめだからね?」


「何かあるのか?」


美鈴に訪ねてみる。


別に理由が何であれ、約束を破るつもりはない。


だが、あそこまで言われると…


気になる…


しかし、美鈴は教えてくれなかった。


明後日のお楽しみだといって…


このとき俺は、あんなことになるなんて想像もつかなかった