「俺、コンシェルジュになれる素質あると思いません??」


とキシモトはわくわくと聞いてくる。


「君はコンシェルジュになりたいのか?」


「はい~♪未依ちゃんパパみたいなかっこいいコンシェルジュに!未依ちゃん良くパパの自慢してますから」


さりげなく意味がある香水を選んだぐらいだからな。


素質はあると思う。





だけどこの仕事を甘く見るなよ、小僧。





「ま、がんばれよ。私は応援しないからな。


と言うか未依と別れろ。



って言うか!お前に“パパ”呼ばわりされたくねぇ!!




失せろ、クソガキが!」



「キャーー!!パパ!やめて!キシモト君に意地悪なパパ嫌いっ」


み、未依!



しかしながら


「私は何でも知っている」が口癖のこの私にすら知らなかったことがあったとは。


イシカワ君の恋人の情報だって知っていたのに、





娘のカレシを知らなかったなんて―――!!