昔、彼女と見た宝物があった。それはかけがえのないものだった。俺の中に一生残り続けるものだった。
3年前の冬、俺は一人の彼女とバス停で出会った。彼女の名前は水嶋 雀。
健次「はぁ、冬は嫌いだ…。雪は積もるし、寒いし…。」
雀「あの~これ使いますか~?」彼女は突然話しかけてきた…。
健次「はぁ…どうも。」俺は渋々彼女の手からマフラーを取った…。
雀「とても寒そうにしてたので。気に入りませんか?」彼女は俺の目を見てた。
健次「いやいや…そんな事ないよ。さっきよりか暖かいし。」
雀「良かった♪それにしてもバス来ませんね…。」彼女は今でも俺を見ていた…。
健次「家こっから遠いの?」俺は然り気無く聞いてみた…。
雀「いいえ近いですよ。」彼女はニコニコしながら答えてくれた。
健次「もし良かったら途中まで歩いて帰らない?」俺はまた聞いてみた…。
雀「良いですよ♪私でよければ一緒に帰りましょ♪」これは奇跡だ。
健次「じゃあ行こう♪家まで送るよ♪」
雀「ありがとうございます♪」彼女は嬉しそうだった。とても幸せな顔だった。
しばらく歩いて見ると辺りは俺の家の近くだ。俺はまた聞いてみた。
健次「もう家近いの?」
雀「はい!近いですよ♪ここです♪」俺は唖然とした…。
なんと彼女の家は俺の家の正面だった。びっくりして声も出ない…。
雀「あの~どうかしましたか?」
健次「あっ…なっなんでもない…。それよりマフラーありがとう♪」
雀「あっこちらこそ送って頂いて嬉しいですよ♪」彼女の顔は満面の笑みだ。
雀「じゃあまたね♪」
健次「ちょっと待って!良かったら明日一緒に登校しない?」
雀「良いですよ♪喜んで♪」
そこから俺と雀の思いでの始まりだとは思いもよらなかった…。