「…?
あ、真里ー?」


一瞬首を傾げたあと、思い出したように名前を呼ぶ結人。


「結ちゃんっ!やっと解放されたよ♪卓、しつこくてさぁ…」

「あはは、真里は可愛いからね。引き止めるのもわかるよ。」


「結ちゃん!そんな心にもないこと言ったら駄目でしょ!」


ちょ、何この子。
…めちゃくちゃ可愛いんだけど!


「…へいへい。
あ、そういえば俺、里美に媚び売らなきゃいけないんだー。」


「…何それ」


そこで私は、口を開いた。
里美って、さっき振った相手じゃあ…


「振った相手に媚び売れば、変な噂流れないだろ?キスしたのに付き合ったくれない、とかね」


「おま…付き合ってないのにキスするって…」


「えー?だって頼まれたんだもん。」