「結人…。わざわざありがとうねー来てくれてー!!」


頬を赤く染めてはにかむ楓里美さん。
結人が丁度私のいる木によしかかって来る。


(!!
ちょ、バレる…)


「んで?話って?」

結人の表情は見えないけど、多分いつもの作り笑顔をぶら下げてるんだと思う。
コイツが本気で笑ってんの見たことないし。
一応同じ小学校出身だったからね。あまり興味はなかったけど。


「ねー…結人さ、ぶっちゃけ好きな女いんのー?」


「…好き女…?今は特にいないかな…なんで?」


楓里美さんはその答えを聞いて、意を決したかのように口を開いた。


「ずっと前から好きでした…!!
付き合ってください…!!」


その言葉を聞いた瞬間私は思わず
「はっ…?」
って声をあげてしまった。


幸い楓里美さんには聞こえてないらしく、赤い顔を俯かせている。


だが、結人は…


「バレバレだよ?羽瑠ちゃん。」


こっちを向いて作り笑顔を浮かべた。
(やば…バレた…!!)

結人の方を見ると結人は既にこちらでは楓里美さんを見ていた。


「気持ちは嬉しいけど、里美とは付き合えない…
ごめん…」


「…だよね!!なんとなく分かってたよー!!ってか結人、本当に好きな人いないのー?」


「うん…今は恋愛より勉強や部活を優先したいな…って」


「そかそか。りょーかい!!じゃあまた後でっ…」


涙を必死にこらえ走り去る楓里美さん。
あー辛いだろうな…

「で、感想は?」


結人が突然私の前に来た。


「か…感想?」