「…ずっと前から好きでしたっ!!
付き合ってください…っ!!」


5月14日。
きっとあたし、沢渡羽瑠は一生この日を忘れはしない。
あいつと…初めて話した日…
私が初恋をした日―


「…最悪だ…」


昼休み。
いつもは友達の美咲と食べているお弁当だが、美咲が突然の体調不良により早退。
美咲以外に仲のいい子がいないので、中庭で一人寂しく昼ご飯。


お母さんが作ってくれたおにぎりを食べようとした時、誰かの足音がした。


反射的に近くの木に隠れてしまう私。
一人で昼ご飯食べてる可哀想な人って思われたくなかったんだと思う。


「…!」


段々と近づいていくにつれ、その足音の主がわかった。


クラスメートの…確か、楓…なんとかさん。
いつもはクラスの女子軍団と戯れている私が苦手な感じの人。


(…でも、なんで一人…?いつもいる取り巻きはどうした)


まさか喧嘩でもしたのか?
なんだか可哀想だな…
まぁ私の方が他人から見たら可哀想な人なのだろうけど。