そう、今目の前に経って話している人は紛れもない、あの”峰くん”だった。
「な、何でこんなところにいるんですか?」
私はとっさに聞いてしまった。
すると、峰くんは苦笑しながら答えた。
「こんなとこ、か。ここ、俺が気に入ってる場所なんだよね。授業とかサボるときはよくここくる。」
「そ、そうなんですか。」
あの峰くんが今私の目の前に立っているという状況がまだ信じられなくて、ただただ唖然とする。
「あ、そうだ。お前、甘いもの好き?」
「はい。好きですけど…。」
「じゃあさ、このチョコレートたちもらってくれない?俺、甘いものとか苦手なんだよね。」
峰くんは申し訳なさそうに言った。
チョコレート嫌いならもらわなきゃいいのに。
何であたしにくれようとするの。
初対面のあたしに。
何でさっき目合ったこと覚えてるの?
何で峰くんのお気に入りの場所に私はいるの?
私の頭の中はとにかくクエスチョンマークでいっぱいになった。
1つ1つ、今目の前に立っている人に確認したい気持ちを抑えながら私は立ち上がった。
「じゃ、1時間目に遅れちゃうのでもう行きますね。」
「は?もう3時間目の時間だぜ?」
