遼は悲痛な声をあげてわたしから離れた。 龍之介がうしろから 力技で遼をわたしから引き剥がした。 「…ハア…ハァハァ…」 わたしは息苦しくて呼吸が荒くなる。 遼より身長の高い龍之介は遼を見下ろすように 言った。 「これ以上、優舞を傷つけることをいってみろ。 わたしはそなたを殺す」 その声音には空気を凍らせる強さがあった。 「は…は…い」 さすがに遼もうなずいた。 龍之介は捨てるように遼を離した。