予想外の言葉に耳を疑う。


浮気?うわき?ウワキ?

遼が?


「…付き合ってたとかじゃなく、かりそめの」


かりそめの?


「相手は?」


怒りに震える声でわたしは聞いた。


「…サチ」


わたしはまた頭が真っ白になった。


サチはわたしのクラスメイトで、しかも罰の悪いことに

バレエ教室が一緒だ。


仲は比較的よかった。



「でも、サチは悪くない…俺が誘った」


何?かばうの?

サチを?


サチもきっとやる気だったに違いない。

だって、一番しつこくわたしに


「遼くんとどう?」


って聞いてきてた。今思えば。