「…二、三度言ったわ。でも遼は、俺らは対等だろ?
って言って全然うけあってくれなかった」
わたしはほかにも遼と対等に関わりたくて
今までしてきたことをしゃべった。
愛美はすこしうつむいた私をみて微笑む。
「…優舞。よくがんばったね」
???
わたしはなんで褒められたのかわからなかった。
「イマドキ、彼氏をそんなひざまずかせて、調子のらずに
彼氏と対等に交わりたいって、優舞みたく努力してきたコって意外といないと思う」
「そうかな…でもわたし…」
愛美はちょっとむうっとした顔を見せた。
「でもはナシ!…優舞がそんだけしたのに気付かない遼のほうがバカ!アホ!」
ぷっとわたしはつい吹き出した。
「遼はもっと男になんなきゃだめなのよ。
でも優舞とはここまで。終わってる。サヨナラよ」
愛美のスカッとしたこの性格がわたしは大好きだ。
「ね?吉さんもそう思う?」
愛美はもう還暦をとうにこえた吉さんに尋ねる。
でも吉さんは還暦を感じさせない若さがある。
