強く腕を掴まれたと思ったら、わたしは腕をおさえられ、
龍之介に組み敷かれていた。
暗闇で目を凝らして、龍之介をみる。
龍之介が知らない人のようだった。
はじめてみた…こんな龍之介。
「…龍…之介?」
わたしは怯えた声で龍之介を呼ぶ。
龍之介は力強い、いままでに聞いたことのない声音で
わたしに喋りかけた。
わたしは鼓動が早くなる。
「…優舞…そなたはわたしのことが好きか?
ドキンッと胸がいつになく大きく高鳴る。」
「…え?…そんな…急に言われても…」
わたしの腕をおさえる力が強まるのを感じた。
「好きか?…愛しているか?」
わたしは、なんだか急に怖くなって涙がにじんで
目が潤む。
「…わ…わかりません…」
龍之介はわたしの涙をそっと指でなぞるように
ぬぐった。
そしてわたしの顔近くに顔をもってきて言った。
「…ならば教えてやる!」
