寝支度を整え、龍之介に話しかける。
「明日…出かけたとき何か調べてみるわ」
「…ああ…すまぬ」
「あ!そうそう…龍之介…これ」
もと着ていた着物を龍之介に手渡す。
「あんまり汚れてたから…近くの呉服屋さんで綺麗にしてもらったの。
……もときた時代にもどるときに着たらいいわ…」
最後の言葉はすこし小さくなった。
龍之介は少し驚いた顔をしている。
喜んでもらえたかし…
「…きゃ⁉…た、龍之介?」
「何もいうな」
龍之介は力強い腕でわたしを抱きしめた。
わたしはしどろもどろする。
鍛えられた厚い胸にドキドキする。
「…あ」
しかし、わたしは龍之介から離れる。
こんなの、舞さんに申し訳ない。
龍之介こそ本当にすきな人は舞さんなのに…
「…おやすみなさい」
電気をぱちんっと切った。
同じ部屋、同じ空間にいるのに龍之介は
すっごく遠い。
