まず、龍之介は今の日本のどこらへんに住んでいたのか。
「商店の並ぶ一角のせまい小屋のようなものに住んでいた。
舞の茶屋の近く。
あ、舞の茶屋は歴史の長い茶屋だった。だから茶屋は有名だったぞ?」
また…
また舞さん。
あなたな舞さんを片時も忘れることはないのね。
とりあえず、茶屋近く…ね。
その茶屋を探さないといけなさそう。
「あのそなたとわたしが出会った場所は、多分わたしが住んでいた辺りだ。
すごく懐かしい感じがした」
…この辺り?
じゃあ、龍之介の住処はわかるかも…
「…わたしはこの時代にくる前の日に、舞と写真というものを撮ったんだ。
あれはすごいな。…完成したものをみることはできなかったが…」
龍之介は悲しそうにうつむいて黙ってしまった。
が…
「…でもいい。…そなたがいてくれる」
