わたしは一晩中、龍之介にそっと抱きしめながら再び眠った。
前のような恥ずかしさよりも、なぜか懐かしい。
この感覚…はじめてじゃないような?
龍之介の腕はたくましくて、いつも何気なくしゃべっていたけど
龍之介は男なんだな…と強く感じた。
「…ん」
朝起きたら、いつも通り龍之介が隣で眠っている。
昨晩の自分を思い出して、また顔が赤くなる。
わたしの元に龍之介がきてから
はや一週間。
龍之介は一度も布団で寝ていたことがない。
夜、隣にきてわたしの頭をそっとなでたり、
わたしの額にキスしたり、わたしをただ見つめていたり。
わたしはどんなに眠くても、大体、肌で感じ取っている。
でも…遼には絶対わかってもらえないことが
龍之介はわかってくれそうな気がする。
龍之介の横は安心する。
わたしは龍之介がもぞもぞと動きだしたので
台所へいって朝食の用意をはじめた。
