ガチャっとドアをあける。



「遼」

「…スイカ。ごめんな、半分だけど」

「ありがと!」


スイカ、どうせ母もいないし、龍之介とゆっくり味わおうかな。


すると…

「おお!うまそうだな」


ドアから顔をのぞかせたのは龍之介。


「なっ!」


龍之介~つ!


「…誰?」

キョトンとする遼。


「マ、ママの関係の人なの。わたしもよくしてもらって」

「…そうなんだ。じゃ、俺いくわ」

「うん、ありがとね~」


ハア…とため息をつく。

浴衣姿のロン毛男がいたら驚くわよね。



「あの男…よほどそなたのことが好きらしいな」

「…そうかしら」


自分でもびっくりするくらい冷たい声だった。

龍之介もすこし驚いていた。


「最後、わたしのことを睨みつづけていたぞ?」

「…遼はやきもち焼きなのよ」


龍之介にこころをよまれるのが怖くて…

目を逸らした。





気付いたらもうお昼だった。