愛らしいなんて…
そんなわけない。
遼だって、本当にわたしのこと好きかもわからないし…
わたしはまた暗い気持ちになった。
チラリと龍之介をみると、買ってきた浴衣が気に入ったようで
浴衣を嬉しそうに見ている。
すると、携帯がなった。
メール…遼だ。
最近、女友達からのメールは
「ひまだ」「夏休み、あそぼうね」
とかそんなメールばかりだった。
「むっちゃおいしいスイカもらった。いま届けたいけど、玄関までいっていい?」
とのこと。
玄関までなら…
「なんだ。その白い物体」
「携帯よ。手紙が届くの」
「そんな小さいものにか?」
「まあ、そうよ。あ、今から人がくるから…隠れといて」
「隠れることないだろう。だれがくるんだ?」
「…彼。恋人よ」
すると龍之介は眉をゆがめた。
「そなたをそんな暗い顔にする恋人…か」
顔にでちゃった。
遼にはあんまり会いたくない。
ピンポーン…
