わたしは顔を赤くしながら、パタンと浴室のドアを閉めた。
ああ…驚いた。
龍之介って…すごく男らしいのね。
……わたし、なんかオカシイ?
また一人で顔を赤くしながら、リビングで麦茶をいれた。
「久々に水を浴びた」
龍之介がちょんまげをほどいた。
龍之介のはちょんまげ…だけど、どちらかといえば
ざんばら頭。頭の上も剃られていないし。
「わたしは下級武士だからな。こんな出で立ちなのだ」
え…わたし、口にだして聞いてないよ?
龍之介…きれいな黒髪。
「…すまぬ。髪を拭いてくれぬか」
「は」
自分で拭きなさいよ!
子供か!
すると龍之介はむっとした。
「わたしの髪を褒めていたくせにな」
わたしは本当におどろいた顔をした。
なんで…わたしのこころがわかるの?
