「この話はおわりだ」
龍之介はあんまりこの話したくないみたい
「…そなたに聞きたい…幕府は倒れるのか」
「えっ…」
倒れると言おうとしてやめた。
そんなわたしには過去のことも
この人にはまだ未来の話だ。
軽く、未来をいうことはできない…。
「それは…」
「わたしは攘夷派だ。幕府を最後まで守る」
「…いずれ未来はわかってしまうことだわ。
歴史は逆さには流れない。過去から未来へ流れるしかない。
あなたは知るべきじゃない。ううん、知っちゃだめ」
自分でいって驚いた。
自分からこんな言葉がでるなんて。
龍之介は起き上がってわたしをまっすぐに見つめた。
そして、わたしの頭をそっと撫でた。
ドキンッ…ドキン…ドキン…
