ちょんまげとアイスキャンデー




龍之介に適当な洋服と安い浴衣を買った。

着物しかきたことないにきまってるし。


母がめったに帰ってこないので基本わたしは自炊。

きょうは豆腐ハンバーグにしよう。

ヘルシーだし。

龍之介…気に入るかな。


気づけば、龍之介のことを気遣っている。

龍之介なんか…



「…優舞?」

後ろから声をかけられた。

この声は遼ね…


昨日はギクシャクしていたし…

「…遼…」

「買い物?」

「…うん。遼は?」

「コンビニ。暑くて」

手のコーラを持ち上げてみせる。

「あのさ…なんか昨日はごめん。

俺、優舞のこと好きだから…俺…」

「わかってる。ただイライラしてたの。

遼のせいとかじゃ…ないから」


遼はわたしの言葉に照れたように笑った。


「きょうさ、いまからお前んちいける?」

いいけど、と言おうとして留まった。



うちにはかなりおかしな居候がいるのだ。

「きょうは…だめ」