「そなた、会ったときから顔色がよくないと思っていたが…

そんな飯しか食っておらぬからだな」


龍之介は腕組みをしてわたしをみる。

わたしはそのまっすぐな瞳にみつめられて、恥ずかしくなって目を逸らした。


龍之介は何か思いついたように、箸をすすめた。


口を開きかけた時、昨日と同じ…いやもっと力強く腕をひっぱられたか

と思うと…


「…そんなこと…な…んん⁉…っ」

気づいたら、口を塞がれていた。

唇にあたる温かいもの…


頭の中がまっしろの中、龍之介の口からなにかが

わたしに与えられた。


やっと唇をはなすと口にはあたたかい白飯が…





…口移し⁉


顔が真っ赤になるのを感じた。


「どうじゃ、うまいか。折角食べれる白飯を食べぬなどもったいない。

そなた、贅沢ぞ」



ドキドキしながら口を抑える。

おいしい…白飯食べたの久しぶり…



「うまいものを食わぬなどわたしには考えらぬが」