龍之介と気まずい空気があれ以来、続いてたけど 思い切って、わたしから話しかけた。 「…わたし、夢ってないんだ」 「夢…?」 「…将来何になりたいとか、ハッキリした目標 がなくて」 龍之介は銀ダラを食べていた手をとめた。 「そなたの未来はそなたがつくるのだ。 過去は変えられぬ。後悔先にたたず。 わたしは何もいえぬ」 龍之介はそれだけしか言わなかった。 ちょっと冷たい。 あれから龍之介は明らかにわたしを 避けている。