たくさん祝福をもらい、あたたかい気持ちで
楽屋に戻ると龍之介がいた。
龍之介は着物だった。
その恰好でみてたの!?
わたしは驚いてしまった。
それよりもうひとつ驚いたこと。
「…どうやってはいったの!?」
お客は楽屋側には入れないハズ。
「ちょっとな」
龍之介は笑ってごまかした。
そして、龍之介はわたしをそっと抱きしめた。
いつになく優しい腕で。
わたしは腕の中でドキドキが止まらなかった。
でも、居心地よい腕から逃げたくもなかった。
「優舞。きょうのそなたは、驚くほど輝いてた。
今までで一番幸せそうだった」
「…ありがと」
「わたしはこれだけ伝えておく」
なに?改まってとわたしは堅苦しい
龍之介を笑う。
「…わたしはそなたが好きだ。優舞」