昨晩、龍之介は珍しくわたしに言った。
「…なんか幸せになった」
うまい、とかすごいとか、じゃなく
幸せにわたしの踊りがさせた。
それが嬉しくてつい、龍之介に抱き着いてしまった。
龍之介はいきなりで、焦っていたが
わたしを優しく抱きしめ返してくれた。
わたしはのこりの期間踊り続けた。
脚はまめだらけだったけど、踊りの本当の楽しさ
をみつけたわたしには、何の苦にもならなかった。
相変わらず、龍之介はニコラスのことを
ブイブイいっていたが、公演に来てくれることになった。
「…あんまり、目立たないようにね」
一応…。
女友達に龍之介のことを知られて、
龍之介が悪く言われるのは腑に落ちなかったから。
わたしの気持ちを察したのか、龍之介はいままでに
見せたことのないような美しい笑顔でいった。
ドキンッ…
「踊ってこい」
