公演まであと5日。
教室に張られた紙が日に日にめくられ、
どんどん数字が小さくなっていく。
今年は公演までの練習時間が少なすぎた。
教室の空気もピリピリしている。
誰かが大きくトウシューズの音をたてただけで
先生も怒る。
一通りおえて、息が荒くなっていたところに
ニコラスがやってきた。
「…ウン!…すごい!本当にすごいよ、ユマ!」
「…え?」
「短期間でこんなに成長するなんて!」
え、そうなのかな?
努力はもちろんした。
でも…ここまで褒めてもらえるなんて。
「…ニコラスのリードがいいからよ」
わたしが照れ笑いをしていたら、
先生もやってきた。