「…わかんない。そんなこと…」
わたしはぷいっと顔をそらした。
「わたしはとりあえず、今踊りしかないから」
龍之介が少しさびしそうな顔をしたのに
すごく罪悪感がわいた。
「…ね、でも龍之介って…」
わたしは不意をついて出た言葉を
思いとどまった。
「なんだ?言え」
わたしはふるふる顔を小さく横に振った。
絶対怒るわ…
「…怒らぬ」
一体この人にはどこまで、こころがよめて、
どこまでよめないのだろうか。
「龍之介って…すっごいやきもち妬きね」
龍之介の顔が真っ赤になった。
龍之介がその後、とびかかってきそうに
なったのは言うまでもない。