わたしは自分をよく見るために、自分の踊りを
ビデオに撮ってもらうことにした。
先生もビデオを撮るために早くきてくれた。
朝、稽古場である程度ストレッチした後、
ソロ、パ・ド・ドゥの両方を撮ってもらった。
次の日、いそいでDVDにしてくれたものを
受け取った。
その夜、わたしがテレビの前でDVDを
いじっていると、龍之介がやってきた。
「なにをみるんだ?その…黒い箱で」
「テレビよ。わたしの踊り!」
「…その、ばれえの公演とやらはいつなんだ?」
「夏休み最終日よ。…ま、それはいいの」
龍之介に夏休みなんかわかんないわよね。
DVDをいれ、再生ボタンを押す。
まずはソロだ。
ひとつひとつ丹念にみる。
気になるところは巻き戻して。
確かにこんなオドオドした踊りじゃ、お客には
何ひとつ伝わらない。
オーロラ姫のみじんもない踊りにがっくりする。
