やっと唇を離してくれた。 わたしは顔が真っ赤になっている。 「…そなたの気持ちが…」 あんたの気持ちなんか知るかっての! わたしはフンッ怒って台所へ向かった。 龍之介はクスクス笑っている。 すこし嬉しそう、そして楽しそうだ。 ちょっと!謝るとかないの!? 「…ああ、すまぬな」 絶対に謝る気なんか、これっぽちも ないんだわ。