「…そ」

わたしはブラウスのぼたんをとじて

かばんをもって立ち上がった。



「…お稽古場いってくるわ」


そっけなくいってやった。


遼、わたしは怒ってるのよ?

わたしをそんな弱い女だと思ってるの?


それともわたしがワガママなだけ?

だとしたら…わたしは遼の彼女なんて

やめる。


「お…う。がんばれよ」

遼からはそれだけだった。


わたしの遼はこれだから…

わたしみたいなワガママ娘には

もったいないわ。