「今日は終わりだ~!みんな、片づけ!」
どうやら今日の部活動は終わったみたい。
私たちマネジも片づけを開始する。
そんなとき、誰かが私の肩を叩いた。
「あ、下野くん。」
「裕樹。」
「ごめん、裕樹。」
少しだけめんどくさいと思ってしまった。
裕樹の顔は無表情に近いものだった。
それが余計に私を少しだけ、イラッとさせた。
言いたいことがあるなら早く言ってほしい。
「今日さ、一緒に帰んない?」
「はい?」
「神野先輩、今日は一人で帰るって。」
「そうなんだ。用事でもあるのかな。」
「さぁ、知らね。で、一緒に帰ろうって話。」
「うん。いいよ。」
イマイチ、裕樹の性格がつかめない。
冷たいなと思ったら、意地悪でドSで、と思ったら寂しがり屋?
一緒に帰りたいってことは、そうなんだろうね。
どんなキャラなのかさっぱりわからない。
「マリアンヌっ。」
「あ、佐藤先輩。」
「ごめんねっ、今日の朝部活に出てきたんでしょ?」
「あ、はい。」
「私たちが昨日説明してなかったのが悪かったんだよねっ、ごめんねぇっ。」
佐藤先輩は目にうっすらと涙を溜めて謝ってくれている。
佐藤先輩は、演技がうまい。
もし、演技じゃなかったら申し訳ないですが。
でも、きっと性格的には甘えん坊なのかも。
ずっと岡本先輩と一緒にいる印象が強い。
話し方もぶりっ子並みにかわいい系だけど、全然嫌じゃない。
佐藤先輩の外見も含めて考えるとむしろこの感じじゃないと変だし。
佐藤先輩っていう人はこの性格じゃないとおかしいんだよね。
「あの、先輩、もう謝らなくても私怒ったりしてませんから。」
「あ、ほんと!?やおい~、許してくれたよ~!」
やおいって、弥生の間違い?
でも、許せます。


