「いつも通り。」
一言、そう言われて話が途絶えた。
私も、体操服に着替えて昨日見ていたことを思い出して仕事を始めた。
数分後に岡本先輩と佐藤先輩も来て3人で仕事を進めて行った。
「マリアンヌ、それおにぎり?」
「あ、すみません・・・。」
「可愛いじゃない。少しだけ不格好だけど、愛情はこもってそうよ。」
岡本先輩、それは褒めていますか?けなしていますか?
隣では佐藤先輩が爆笑中。
私って、いじられキャラになったらしい。
「おにぎり~できたよぉ!」
「「「おぉ~っ」」」
佐藤先輩の声で、部員たちがおにぎりを食べにこっちにくる。
と、目に入ったのは仁と裕樹。
二人は、木陰で何かを話していた。
おにぎり食べないのかな、と思っていたら二人は一緒にこっちに来ておにぎりを食べ始めた。
私の少し不格好だと言われたおにぎりたちも、部員たちのお腹の中に消えていった。
「よしっ、じゃぁ再開。時間までしっかり気ぃ抜くなよ!」
「「「はいっ」」」
尾崎先輩の一声で部員たちがまたグラウンドへ戻っていく。
すごいな、なんて感心してると「私たちもやるよ」と佐藤先輩に注意された。
スコアの付け方を佐藤先輩に教わる。
けど、この先輩すごく・・・アバウトなんです。
「ここはこんな感じで書いて~、こっちはこうね。」
「・・・はい。」
「あ、そうそう、空いてるスペースに落書きなんかしたらダメだよっ。こんな風にねっ。」
先輩が描いた落書きはプロ並みだった。
でも、これってスコア書きながら書いちゃってるってことですよね。
「じゃぁ、マリアンヌもやってみよ~!」
「・・・はい。」
そんなこんなで、時々岡本先輩の元へ駆け寄り細かいことを聞きながらスコアをつけていった。
最初から岡本先輩に聞けばよかった、と後悔したのはもちろんのこと。


