「え?」
「俺の名前。裕樹。」
「うん。知ってるよ?」
「なら、そう呼んでくんない?」
「・・・うん。」
下野、じゃなくて、ゆ、裕樹ってもしかして相当のドS?
普通こんなこと言わないよね?
「呼んで。」
はい?
「裕樹って、呼んでみろよ。」
「以後、気をつけます。」
「じゃなくて、今。俺のこと、裕樹って呼んでみろって言ってんの。」
「え?」
「早く。」
「いや、ちょと」
「言えって!」
「ゆうき!」
はぁ、はぁ。
全然話聞いてくれない。
なんなの?
「じゃぁ、俺は真里亜って呼ぶ。」
そんなこと、別に私は気にしないよ。
裕樹っていったいどんな性格なの?
2年生だよね。
だから、こんな態度なわけかな。
お互いが2年生だから?
「おはよ~。」
そこに私のクラスの子が登校してきた。
裕樹は、すぐに立ち上がって「じゃぁ」と言って教室から出て行った。
「今の子誰?」
と聞かれたのは言うまでもなく、その後も裕樹のことが頭から離れなかった。
放課後、部室に足を運ぶとそこにはすでに裕樹の姿があった。
「早いね。」


