仁の目を見ながら言った私に戸惑いを隠せない様子の仁。
やっぱり、だめかな・・・。
「なら、俺も帰るか。」
「え?」
「二人してサボるか。」
「いいの?」
「構わねぇよっ」
そして、私たちは本当に学校を抜け出した。
荷物は保健室にあった。
仁から聞いた話だと、私と別れた後、結局気になって見に来てくれたらしい。
そしたら案の定私があんな状態になっていて、急いで駆け寄って来てくれて抱きかかえて保健室へ運んでくれたらしい。
その時、私と仁の荷物を仁の後輩くんに持たせて持って来させちゃったみたい。
名前を聞くと、なんと私と同じクラスの子だった。
ちゃんとお礼言わないとな。
そして、私と仁は一緒に帰った。
仁の家、というかアパートに。
実は、今朝学校へ向かっているときに、仁のアパートから私の家までそんなに距離がないということを知った。
昨日は辺りが暗かったからここがどこなのかイマイチよくわからなかったけど、よく考えてみると分かることだった。
ここのアパートって、私のうちから見えてるということに気付いたのは朝だけど。
そのほか、周りにあるお店のことを考えてみると家の近くだってわかること。
ここまでまっしぐらに走ってきた私の目には映ってなかったのかな。
仁の部屋に入ると、今朝と変わらない風景が広がる。
ここが意外に広いということに少し関心。
あ、仁が一人で住むにしては、という意味で。
家賃とかどうしてるのかな。
どうして一人暮らしをしてるのかな。
本当の家はどこにあるのかな。
なんて、どんどん仁のことが気になり始めている私。
どうかしちゃったのかな。


