「んっ・・・」
「真里亜」
気が付いたそこは、保健室のベッドの上。
やっぱり、私保健室に運ばれたんだ。
隣を見ると、そこには私が会いたかった人の影。
「・・・じ、ん?」
「おう。大丈夫か?」
「っじん!」
私は、仁に抱きついた。
仁はそんな私を優しく抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。
仁がこうやって頭を撫でてくれると安心する。
ホッとする。
仁が隣にいてくれると、嬉しいの。
「保健室の先生いなくてさ。とりあえず真里亜を寝かせて、俺が見てようと思って。」
「そう、だったの。じゃぁ、ここまで運んでくれたのって・・・」
「俺だけど。」
「え、私ずっと先生だと思ってた。」
「残念、俺でした。」
ベーッってしながら笑ってる人。
残念なんかじゃないよ。
先生よりずっと嬉しいよ。
「今日は、このまま帰るか。」
「え?」
「無理やり連れてきた俺が悪かった・・・。ごめんな。」
「そんなことないよ。行こうって思ったのは仁のおかげだし、結果的に行くことに決めたのは私なんだし。」
「そっか。なら、どうする?この後。」
「・・・教室には行きたくないな。」
「帰るか?」
「でも」
わがままかな。
迷惑かな。
でも、それでもね、私―――
「仁の近くに、隣にいたい・・・」


