そのとき、藤井君が帰って来て、うちが3点になった。
仁は、あと少しで3塁。
でも、ボールが追いついてくる。
「神野、ぎりぎりかっ。」
「仁・・・。」
誰もがアウトだと思った。
ところが―――
「神野!走れ!帰れる!」
「え!?」
ベンチからみんなが叫ぶ。
見ると3塁へ投げられた球が、ショートの送球ミスで大きくずれてキャッチができなかった。
仁はベースを蹴ってホームへ走る。
ボールもホームへ投げられた。
そして・・・
ザザァッ―――
「・・・セーフ!セーフ!!」
「4点目ー!」
「「おぉぉぉぉー!」」
仁がホームへ帰った。
これで両校の得点がまた並んだ。
振出しに戻った。
「ただいまっ!」
「おぉ、神野。やったじゃん。ランニングしたな。」
「ランニングって感じじゃなかったけどな。」
尾崎先輩と嬉しそうに話す仁。


