「仁、打って!」
「真里亜ってやっぱ鈍感。」
「なっ!?」
カーンッ―――
「伸びろー!」
裕樹が私に話しかけると同時に仁から目をそらした私。
その直後に仁が打った。
見たかったのに、裕樹が何か言うから!
と、仁の打った球をみると伸びる、伸びる。
ライトの人がすごく走ってるけど、残念ながら届かず仁のヒット!
「せーのぉ!」
「「ナイバッチー!」」
「すげ、あの人。」
「裕樹のせいで仁の打つところ見れなかったでしょ!」
「・・・やっぱあんたたちお互い様だな。」
「はい!?」
「一点入ったぁ!」
尾崎先輩のその声で私はまたグラウンドへ目を向ける。
1番の和泉先輩が帰ってきた。
すごい、仁のおかげで点が入った。
ということは、うちが先取点を入れた!?
「すごーい!すごいよ!!」
私も部員たちとハイタッチ。
裕樹とも、と思ったけど裕樹とはハイタッチしない。
裕樹もスコアを持って私から離れて行った。
なんなのよ。
その後は7番の尾崎先輩が打ち上げてアウトを取られてうちの攻撃が終わった。
キャプテンとして、かなり悔しそうな表情で帰ってきた。
そして、相手チームの攻撃が始まった。
うちのピッチャーは尾崎先輩。
キャプテンでピッチャー。
かっこいいです。


