病院を後にして、家に戻るとまた私の家族が待っていた。
お母さんも真咲も、今の状況を理解してくれている。
きっと二人とも不安だと思う。
私だって不安だから。
パパが何か言うんじゃないかって。
その何か、の内容もなんとなくわかるような気がしてならない。
でも、パパは何も言わない。
だから、きっと大丈夫だと思ってる。
いや、数分前まで思っていた―――
「なぁ。みんな、少し話があるんだ。」
パパのこの一言で、私の中がざわついた。
家族みんなが食卓に着く。
「パパ・・・」
私は、パパに話の続きをしてほしくなかった。
だって、きっとあのことでしょ?
私のそんな不安な気持ちに気が付いたのか、パパが私の目を見てふっと笑顔になった。
「大丈夫。真里亜が心配するようなことじゃない。」
「・・・・・・」
わかってない、パパは何もわかってない。
「話っていうのは、真菜のことなんだ。」
やっぱり、パパはママと一緒になるんでしょ?
私はパパの話に耳は傾けるものの、パパを見ることはできなかった。
「今日、真菜と話をした。ちゃんと。」
「えぇ。真菜さんの具合は順調なの?」
「おかげさまでだいぶ良くなったようだよ。」
「そう。それで、その真菜さんと何を?」
「真菜に、この家族のことを話したんだ。」
パパがそう言うと、お母さんと真咲の顔が少し歪んだ。
それでもパパは笑顔のまま、話を続ける。


