「あ、すみません。僕は真菜のいとこの斉藤です。」

「真菜の、いとこ?」


「はい。僕のところに真菜がこんなことになってるっていう情報が来たので。」

「真菜の家族は?」


その言葉を聞いて、斉藤さんの顔が少しひきつった。

そして、悲しい顔のまま私たちに真実を告げた。


「真菜の両親は、2年前に亡くなりました。」


おじいちゃんと、おばあちゃんが、死んだ?

ママとパパと暮らしてた時は二人とも元気だったじゃない。


どうして!?


「家が、火事になったんです。原因はおじさんのたばこの不始末。」


「そんなこと・・・」



ママは、その時どんな気持ちだった?

ママ、ねぇママ。


もうおじいちゃんとおばあちゃんのところへ行っちゃうの?

ママ、もっと話がしたかったの。


私、ママの娘だから。

だから、ママがいなくなっちゃったら私、家族がいなくなっちゃうの。

いなくならないでよ、ママ。


ママは、おじいちゃんたちがいないと寂しい?

おばあちゃんのところに行きたい?


ママ、私だってママがいなくなっちゃったら寂しいんだよ?

ママ、ママっ。



ママの手をそっと握る。

「ママぁ・・・っごめんね。」


「「え・・・」」


斉藤さんもパパも驚いたと思う。

なんで私が謝ったのか。


だってね、パパ・・・。



「ママを、寂しくさせてっ、辛い思いさせて、ごめんなさいっ」