「あぁ。朝は眠い。今日はとくに。」
「昨日はあんな遅くまでごめんね。」
「まぁ俺がお邪魔してただけだし。こっちこそ、世話様でした。」
「とんでもない。」
「あははっ」って笑いあいながら最初は昨日の話をしていた。
そして、やっと本題へ。
「で、カナと一斗のことは?」
「あぁ、真里亜ほんとに知らねぇんだな。」
「カナと一斗は結婚しないとか?」
「まぁ、まだこの歳じゃできないのは確か。一斗の方がな。」
「じゃぁ、何の話?」
「理由がないんだよ。」
はい?
この会話は成り立っているのでしょうか。
何の話なのか聞いたのに、理由がないって言われても。
「わかってないな。」
「ちゃんと言ってよ。」
「だから、結婚する理由がないってこと。一斗はあの女、カナってやつにはめられただけ。」
「・・・どういうこと?」
「子供はいないってこと。」
今までの会話を頭の中で整理する。
今私の頭の中ではいろんなことがごちゃごちゃしてて全然理解ができない状態。
で、つまりはカナと一斗の間には子供、赤ちゃんはできてないってことだよね。
だから、カナと一斗は付き合う理由も結婚する理由もない。
だから、一斗はカナに、騙されたってこと?
「俺と神野先輩が知ったのはついこの間。」
「どうして!?なんでわかったの!?」
「一斗本人が俺に言ってきたからさ。」
「一斗が?」
「そう。俺に言ってきた。子供はいなかった、俺は騙された被害者なんだって。」


