「って、これが俺が神野先輩を嫌う理由かな。」
私は何も言えなかった。
何を言えばいいのかわからなかった。
「真里亜？」
「・・・・・・」
「・・・なんで泣いてんだよ。」
「えっ？」
自分でも気づいていなかった。
自分の頬を流れる一粒の涙に。
「俺が泣くのは、って男が泣くのって結構キモいか。」
「そんなことないと思う！」
「え？」
「泣きたい時は泣いたらいいと思う。」
「ふふっ、そうか。そうだな。真里亜意外に正直なところころもあるよな。正直じゃない方が多いけどさ。」
「別にいいでしょ！」
正直って、私意外とそうなのかな。
自分ではそんなこと全然思わないんだけどな。
「ってわけでさ、神野先輩はやめた方がいいって言ってんの。」
そういうわけですか。
でも、ちょっと待って！？
「それって、私が仁のことを好きって思ってるってことでしょ。裕樹は私がそんな風に見えるってこと？」
「それ以外に何がある？」
「そりゃそうだけど、でも私仁のことをそういう感情で見たことないよ。」
「そりゃウソだな。自分の気持ちに気付いてないだけだろ。真里亜鈍感なところもあるんだな。」
鈍感って、だって私はまだ一斗のことが好きなんだと思う。
って、あれ？
私最近一斗のことを気にしなくなった。
最近は裕樹のこととか仁のことばかり考えてた。
これって、もう一斗のことは忘れつつあるってこと？
