クローン(CLONE)

この赤いボタン、なんか変な感じだが、命令に従った。
まだ、部屋にはペンキの匂いが漂っている。
勉強に集中してもらうためか、部屋は殺風景だ。
あまりにも寂しい。見渡す限り、机と木のイスと何に使うか分からないがテレビ以外何もない。

生徒は全員同じ顔、こっちをじろじろ見ている。
生徒はレベルが同じなので、テストをやっても、全員同じ答え、答えが違うほうがおかしい。
コピー人間は日本語を読むことは出来るがしゃべることは出来ない。
答えが一問でも違うと殺される。
ゆういつ違うことそれは性格だけだ。
大胆なことを言えば、性格以外皆同じ。これだけだ。
先生は毎朝7:00に教室に入ってくるが、挨拶はしない。
出来ないから。
先生はいるが、一つも聞いていない、聞く必要がないのだ。先生よりも頭がいいし、先生はただ生徒を見守る看護人。
そんな、難しい生徒のためか、次々と先生が変わる。
初めてこの学校に転勤してきた先生は笑顔で入ってくるが帰りには笑顔など見ることが出来ない。
名前もなかなか覚えることが出来ない。だから、だんだん人数が増えるにつれ、番号で呼ぶようにした。
でも、席を入れ替われば、見分けがつかない。
現在200人もう限界だ。この学校が出来てからたった1ヶ月しか経っていない。

「A1  !!」

「聞いてるか?」

「A1  !!」

「返事がないぞ。」

「元気がないのか?」