クローン（CLONE）

「ごめんな、祐樹。」２人は祐樹を助けられなかった思いで愕然としていた。

「これで終わったんだね。ごめんな。裕也。あゆか。」祐樹が天からそうささやいていた。

大きな雨雲が西の方へと消えていった。すると、青空が広がっていた。

人間は大きな変化には気づくが単純に周りで起きている小さな変化には気づかない。
そこが欠点な生き物なのかもしれない。
もちろん、裕也やあゆかも。
でも、助かった２人が幸せなのかそれは分からない。
まだ、過去の苦しみを背負っているかもしれない。
これは全ての国民が同じ思いである。
祐樹は２人を助けられたこと先生から伝えられたことを実現できたことを喜んでいるかもしれない。最初から２人を守るつもりでいたから。
すべては大統領と国民の責任である。
この日本で起こっていたことは、紛れの無い現実で隠しようが無い。
人々はこれを過去の過ちとして、一生忘れることは無いだろう。
戦争のように・・・。面影はいつまでも残る・・・・

暗い日本がまた明るくなっていく。

今、すべての街が綺麗に光っている。

何事も無かったかのように。

また朝が来た。

結局最後は、大統領が５人ではなく３００人もいたことを自供したあと自ら１００階のトイレで首をつり自殺をした。

それが民間のニュースで話題になることはなかった。


これで、全ての幕が閉じることとなった。