クローン(CLONE)

「本当人間って憎いよな、自分勝手にしあがって、そんな奴の見方するA3も馬鹿だな。」

「馬鹿じゃない、ゴミだぜ。」とA3を馬鹿にする奴らが歩いてきた。
10分位すると姿は消えていった。
大丈夫だよ、お前はあいつらにとっては敵でも俺らにとっては見方なんだから。
午前九時。さっきから、走ってきたためか、ものすごく速く到着することができた。
日高丘という山だった。
見た感じ、高さがそれほど無い、小さな山だった。
ポツンと何か黒いものが見える、そこまで歩くことにした。
木々を避けながら、ただひたすらに歩いていく。
さっきは小さく見えたが使われていない民家のように見えた。
今晩はここで寝ることにした。布団や暖炉もあった。
少し前まで使用していたような、感じがある。
木々の隙間から、日光が差し込んでくる。
空は結構綺麗だった、雲ひとつ無い快晴、今日はこの山を越えることを目標とした。
この先に何があるか分からない。
地図も無く、ケータイも電話は繋がるがインターネットには繋がらなかった。
裕也とあゆかは携帯電話を湖に飛び込んだときに故障したのか動く姿すら見えない。
でも、祐樹はたまたまポケットから出しておいて置いた為、故障する事は無かった。
小島さんは電池切れらしい。何かに使うかもしれないので、祐樹は電源を切っておいた。とりあえず、さっきみたいに頂上まで上ることにした。
ずっと歩いた。周りは緑、緑、緑、緑あたり一面緑色の景色だった。
こんな光景を近くで見たのは初めてだった。
都会にも少しはこんな場所が欲しい。歩きつかれたので、少し休憩することにした。
すると、湧き水らしきものが見えた。裕也はその水を勢いよく飲み「うまい」と一言。
本当においしそうな透き通った水だった。その水をみんなで飲んだ。
水に今まで味なんか無いと思っていた俺も初めて水がおいしいように感じた。
小島さんがリュックからパンを取り出し4人に渡した。

「小島さんはどうしたの?」

「いや、お腹がいっぱいだから 」スーパーマンはそんな小島さんにパンを返した。
「食べてください。」ロボットの癖に優しかった。
こんな性格の奴が嫌われる、どうかしている。
パンを食べ、元気を取り戻した。岩を駆け上がり、そこはもう頂上だった。