クローン(CLONE)

今日はゴールデンウィークの1日目、本当なら今頃、いつも行っている、千葉県のディズニーランドかシー多分今年はシーに行っていたはずだった。
皆で、乗り物に乗ったり、去年は全乗り物を3日で、乗ることが出来た。
都会から離れるうちにどんどん近未来から過去へ移動するような感じだった。
今は、日本もゴミ大国となった。
ゴミの処分場も満杯になったため地方に埋め立てをしていたせいか、そのため日本の形も変わっていった。毎年毎年、日本の形だけ変わっていく。
今年もそんなことをするはずだった。
それを思うと更に虚しくなった。
タクシーは無言のまま高速をどこかに向かって走っている。
これで、4人。
現在一番失ってはいけない人それは、運転手の小島さんだ。
もちろん全員失ってはいけない。
やっとさっき小島さんが口を開いて、3人を励ますように
「長生きすればお前らと同じくらい辛い事なんか何度もある。俺なんか数え切れないぞ。」そう、笑いながら話してくれた。
立ち直ったのか少しは元気を取り戻していた。
どこへこのタクシーは向かっているのだろうか、聞くことは出来なかった。
でも、空気の読めない裕也が「どこ行ってるんですか?」と小島さんに話した。すると、小島さんは「目的地なんて無いよ。行きたいところを行ってくれればそこへ行くよ!!とりあえず関東よりも関西の方が安心だと思ったから、関西に向かってるだけ」そう話してくれた。
でも、俺はそれに賛成だ。成田がこうなっている以上もう、どこへいくこともできない。
関西に向かっている途中で、暗くなってきたので、今日はもう寝ることにした。
万が一、TCNが来た時のために車の中で寝ることにした。
高速道路の上で止まって、寝たのは初めてだった。
誰もが初めてだろう。
この夜の間にもTCNは動き続けているだろう。
会議をしているかもしれない。明日のスケジュールを決めて、何かたくらんでいるかもしれない。
そんなことを考えているといつしか寝てしまった。

TCNが近づいてくる。あゆかと裕也と小島さんもやられている。