クローン(CLONE)

「先生どうしたんですか?いや、今はややこしい。後で話そう。山本、中村、あゆか居るよな。」何故か先生が、いつものように明るい顔を一切見せなかった。

この地球の終わりというかのの様に。
ゆうやとあゆかとは、一年生のころからの付き合いでとても仲が良かった。
遠足の班も俺らがいつもなれる様に先生に何時間でも交渉した。
だからいつも一緒。
年中無休。
でも、俺らが仲良くなったのにはきっかけがあった。その日は、初めての小学校への入学式の日、ブランコでたまたま遊んでいたら、ゆうやが俺に声をかけてくれた。

「ねー何組」と隣のブランコに座っている女の子そうあゆかにも声 をかけた。
そのときから、今まで、あの一瞬ブランコの声掛けだけで、これほど仲が良くなった。
趣味も同じ、ゲームも同じゲーム、好きな食べ物、好きな芸能人も同じだった。
ものすごく気があった。あゆかは一年生の頃から、とても大人しかった。でも、あゆかは他のやんちゃな女の子と仲良くすることは無かった。俺も裕也としか遊ばなかった。でも3人は絶対に家に帰るときぐらいしか離れ離れにならなかった。
俺と裕也はいつもはしゃいでいた。
廊下で鬼ごっこはいけませんよと言われてるにもかかわらず、無視して走っていたら、先生とぶつかって、1時間説教された。
説教してるにもかかわらず何で笑っていられるんだーって言ってプラス1時間合計2時間も説教された。
それぞれ、特徴がある。
俺と裕也は小学校一年生の運動会で徒競走やリレーなどがいつもビリ欠だったため、父さんに見に行くのが恥ずかしい、「鬼ごっこでもして早くなり。」と言われたそのときから鬼ごっこを毎日裕也とするようになった。
小学4年のときにやっと念願だった、1位を獲得することができた。
母さんは喜んでくれたが、父さんは一言だけ、「良かったな」としか言ってくれなかった。1位になったからといって別に自慢などはしなかった。
もっと上を目指すと。
それから現在中学 2年、陸上部で次々と県大会などで勝ち、賞などを貰った。
あの時父さんが褒めてくれなくて良かったとこんな歳になってようやく分かった。
この長年練習を積み重ねた足がこんなところで役に立つとは思わなかった。
しかも、今日が一生の中で最悪な日になる。
今日だけでないかもしれないと先生に言われた。