水族館にいくまえに
あたしたちは涼二の部屋にいた。

涼二がまずはゆっくり祝いたいと言ったからだ。

目の前にはにこにこと楽しそうなわたしの彼氏。

あたしも思わず微笑む。

「真優、誕生日おめでとう!」

「ふふ。涼二それもう、十回目くらいだよ」

「いいんだよ」

涼二は悪戯っぽく笑うとあたしの髪をぐしゃぐしゃと撫でた。