「あたしが元カレと知り合ったのも、あたしと涼二が会ったみたいに友だちの彼氏と2対2で会おうってなったからなんだ。

始めは、すっごく話があうし、優しいなって。

同い年だったんだけど。

あたし、恋したことなくて恋がどういうものかわからなかった。


だから、彼に2人で会おうって言われて
2人で遊んで、楽しくて、、、。告白されたときああ好きだなって思っちゃったんだ。」

あたしは唾を呑んだ。
涼二はじっと話を聞いている。

「それで…始めは優しいままで楽しかった。恋って、人を好きになるっていいなって純粋に思った。だけど…」

あたしはめをとじた。
フラッシュバック
真優!!てめえ、ふざけんなよ!?
バシンっ
やだあ!!やめて敦!!!
あたしが悪かった!!許して!!!!!!!!!

「真優」
優しいこえがして
あたしはめをあけた。
胸がばくばくいってる。
喉がカラカラだ。

メロンソーダを口にふくむと深呼吸した。

「あたしと会えば、いつも暴力をふるった。タバコを押し付けられたり灰皿で殴ってくるときもあった。あいつは、気性が変わりやすくて、ちょっとのことで怒った。あたしが、他の男子と少し話したり、あいつの部屋におちてた女物のピアス、誰の?って聞いただけで…お風呂に沈められたり何時間も殴られた。だけどあたしはヤキモチは愛の証。隠すのだってあたしを傷つけないための愛だって自分に言い聞かせてた。バカだよね。もうあいつ自身に散々傷つけられてたのに。あいつは決して見えるところに傷をつけなかった。服で隠れるとこだけ。だから親も友だちも気づかなかった。外ではあいつはあたしに優しくて、いい彼氏だったから。だけど、付き合って半年たったとき、あたしはあいつにふられた。重いって。けど、少しうれしかったのも事実。振られたってことはあたしたちちゃんと付き合ってたんだ、って。
あたしはそのころもう、愛情が歪んでた。本当の愛なんてわからなくなってた。ただ、あいつがいないとダメになってた。決してそれは愛なんかじゃない。あいつから離れられなくなってた
だけど、あいつはあたしに会おうとしなかった。
あたしは狂った。
親もすべてを知って
あたしを精神病院に入院させた。
今でもたまに、フラッシュバックするの
この前、へやでああなったのもそのせい。

でもなんでだろう。
涼二といると、あいつから離れられる気がする。
ちゃんと物事が考えられるの。」