そして今あたしはあたしのへやにいる。

目の前には、なぜかあたしのくまのぬいぐるみを抱いてる涼二。

「こいつ、さわり心地いいなあ♪」

「でしょ♪毎日抱いて寝てるんだあ」


「いいなあ♪じゃあ今日は俺を抱いて寝てよ♪」

「もーばかー」

って、あたしは何をやってるの!?


すっかり涼二のペースに流されてた。

「って、いうかなんであたしの部屋!?」

「だって、他にいくとこないじゃん。俺まだバイト代入ってないから金欠だし、おれんちこっから遠いし」

ね~といいながらあたしのくまちゃんで1人遊びをはじめる涼二。

なんか、似合ってるよ汗

「で、でも男と女だし!!」

あたしがあせると
涼二はまた悪戯っぽい笑みでこっちをみた。

「真優、さっきからそればっかり☆実は誘ってる?」

涼二が笑ってあたしの腕をつかんだ。

「やっ…」
フラッシュバック。
あいつに腕をおさえられる。むりやり唇を奪われて、乱暴に制服に手が…

「ゆ!!真優!!真優!!」

はっ!!
気づくと目の前には焦った顔の涼二。

「だいじょぶか?ごめん。冗談だったんだ。ほんとごめん。そんなこわがると思わなくて…顔真っ青だぞ?」


あたしは涼二から離れるとうつむいた。
最悪。涼二の前でこんな…絶対引かれた。

重いって、変人だって。

それで、いいのか!!
そうだよ、涼二があたしを嫌いになればそれで…


「真優、ごめん」
そんな優しい目をしないで。軽蔑してよ。
男なんてみんな同じだって思わせてよ。

「って…」


「え?」

「帰って!!」

あたしは勢いよく涼二を突き飛ばした。

「真優...」

涼二はすごく悲しそうな顔をした。
胸がしめつけられる。
やめて。やめて。

「本当に悪かった」

涼二は頭を下げると部屋をでていった。

ずるっ
あたしはその場に座り込んで涼二が抱いてたくまちゃんを抱く。

免疫がついてるなんて、うそ。体が…頭が、忘れてない!!

あたしは、一生…
人を愛せない!!