「戻れないって、どういうことですか?」
「君のデータがない理由がわかった」
「だから、どういうことなんですか?」
「落ち着いて聞いてほしい。いや、私の口から言うには荷が重すぎる。ああ、どう言えばいいのか」
言葉を濁してばかりでその先を教えてくれないお爺さんは、先ほどからずっと首を横に振ってばかりだ。
「わかった。よしわかった。まず、君が目覚めた時の話を聞かせてほしい。目覚めてまず、誰に会ったか、それは覚えているよね?」
「…平」
「今、なんと…」
「あの少年です。さっき、新聞に載ってた、あの平という人。それに、幼なじみにそっくりなロボットがいました」
「平が君を?どうして?」
お爺さんは私に向かってそう聞いたが、その答えを私が持っていないことに気付くと、髪を掻き乱し背を向けた。


