「とにかく今はデータを探し、証拠として提出しなければ正式な形では戻れない。私はここの人間に話を聞いてくる。君は、自分の生まれた西暦の項を確かめてくれないかい?」
「はい。わかりました」
手首につけていたシュシュで髪を束ねる。
戸に向かうお爺さんの背を追うようにして立ち上がると、お爺さんは振り返り「あっちの―」と途中まで言いかけて、唖然とした表情で私を見つめる。
「あっち、ですか?」
私がその方を指さしてみると、お爺さんは強引に私の腕を引き、ブースの中へと押し込むように中へ入れた。
「どうしたんですか!?」
お爺さんは唖然としたまま、何度も首を横に振る。
「戻れない」
「…え?」
「君は、過去には戻れない」


