「ちょっと待ってください!私はお爺さんのこと憎いとか、恨んだりとかとかそういう想いは全然ないんです。というか、まだ実感すら危ういくらいで。だからどうか、顔をあげてください」



慌てて肩に手を添え、体を起こそうと腕に力を入れても、お爺さんはその位置から動こうとはしない。



「頼む」



小刻みに震えるお爺さんの体が、その苦悩を物語る。


未来に来て、まだ数時間しか経っていない私にはとてもじゃないがお爺さんを加害者として見る目は持っていなかった。


寧ろ、私としては目の前に現れた、唯一の頼れる人である。




「お願いします」




手を解きそう言うとお爺さんは漸く顔を見せてくれる。



「…?」


「手伝って、もらえますか?過去に戻れるように」



潤んだ小さな瞳に溢れんばかりの涙を浮かべ、お爺さんはそれを隠すようにもう一度深く、深く頭を下げた。